ウェディングドレスの色

ウェディングドレスの色といえば何色を思い浮かべますか。最近ではベージュやピンクなどカラーバリエーションも増えてきましたが、定番といえばやはり白でしょう。

白のウェディングドレスには、純白の心、あなたの色に染まりたいという花嫁の思いを表しているそうです。ところが、この「白」色は昔からの伝統という訳ではありません。中世ヨーロッパの王侯貴族などが結婚式やセレモニーに着たものは、その後、晩餐会などで活用されるのがほとんどでしたので、汚れが目立たない色が好まれたそうです。当時のドレスは、厚手の生地に金糸・銀糸を織り込んだ上に、宝石を縫いつけたという豪華なもので、かなり重いものだったと言われています。その後18世紀のフランスを中心に「白」が流行り、貴族は競って「白」を身につけたようですが、すぐに汚れてしまう贅沢品であったため、国民の反発を呼ぶような時代だったのです。

ウェディングドレスに「白」を用いた最初の人は、19世紀イギリスのヴィクトリア女王でした。18才で女王になったヴィクトリアは、21才の時に従兄弟のアルバート公と結婚しました。ヴィクトリアは女王としてではなく、一人の女性として愛する人との結婚を選び、その一途な思いを「白」に託してイギリス製のシルクの真っ白なウェディングドレスを着たのでした。繁栄のためのオレンジの花だけを飾り、白いレースのベールを被ったその姿は、イギリス国民だけでなく、各国の人々にその清純さと新しい王室のイメージを植え付け、感動させました。その後、ヨーロッパ中の貴族の花嫁は、「白」のウェディングドレスを身に纏ったということです。

ウェディングドレスの白という色は、凛とした女性の自己主張を表しているのかもしれません。今ではたくさんの素材やデザインを見ることができますが、その中から自分に合ったものを選び出すことは、結婚に対する女性の決心の現れなのかも知れませんね。三段重ねの高いウェディングケーキやサムシング・フォー(古いもの、新しいもの、青いもの、借りたものの4つを身につけると花嫁が幸せになるという言い伝え)は、このヴィクトリアの時代からと言われています。それだけウェディングに対するヴィクトリアの影響が大きいと言えるでしょう。